スズキ GSX250R(型式 8BK-DN12B) は、
- 水冷4ストローク並列2気筒 248cc
- 最高出力 18kW(24PS)/8,000rpm
- 最大トルク 22N・m(2.2kgf・m)/6,500rpm
- 装備重量 181kg
- シート高 790mm
- 燃料タンク容量 15L
というスペックを持つ、フルカウルの250ccロードスポーツです。
名前や見た目は「GSX」のスポーツイメージですが、中身はかなりツーリング寄りで扱いやすい性格。
この記事では、
- GSX250Rの正確なスペックと特徴
- 良いところ/気になるところ
- Ninja250・YZF-R25・CBR250RR・ZX-25Rとの違い(性格の比較)
- 向いている人/やめた方がいい人
を、街乗り~ツーリング目線で解説します。
※画像はAIによるイメージです
GSX250Rってどんなバイク?
まずは日本仕様・現行型(8BK-DN12B)の主要諸元から。
主要スペック(8BK-DN12B)
- 型式:8BK-DN12B
- 全長×全幅×全高:2,085mm × 740mm × 1,110mm
- 軸間距離:1,430mm
- 最低地上高:160mm
- シート高:790mm
- 装備重量:181kg
- 最小回転半径:2.9m
エンジン
- エンジン型式:J517
- 形式:水冷・4サイクル・2気筒・SOHC・2バルブ
- 総排気量:248cm³
- 内径×行程:53.5mm × 55.2mm
- 圧縮比:11.5
- 最高出力:18kW(24PS)/8,000rpm
- 最大トルク:22N・m(2.2kgf・m)/6,500rpm
燃費・タンク
- 燃料タンク容量:15L
- WMTCモード値:32.8km/L(クラス2-2)
- 定地燃費値(60km/h・2名乗車):41.0km/L
足まわり
- フレーム形式:セミダブルクレードル
- フロントサス:テレスコピック式
- リアサス:スイングアーム式
- ブレーキ(前/後):油圧式シングルディスク(ABS)/油圧式シングルディスク(ABS)
- タイヤサイズ(前/後):110/80-17M/C 57H/140/70-17M/C 66H
数字だけ見ると「控えめな出力」「大きめの車体」「燃費良好」で、
“ツーリング向けのフルカウル”という性格がハッキリ出ているモデルです。
GSX250Rの良いところ(メリット)
① 低中回転トルク重視で、街乗りがラク
GSX250Rの並列2気筒は、ピークパワーよりも実用回転域のトルク重視。
- 最大トルクは 6,500rpmで22N・m
- 回転を上げ切らなくても、4,000〜6,000rpm付近で素直にグイッと前に出る
- 発進・低速走行・街中の加減速がやりやすい
同じフルカウルでも、「高回転まで回してナンボ」のスポーツモデルとは違い、
普段使いでストレスを感じにくいエンジン特性になっています。
② 790mmシート高と素直なポジションで扱いやすい
- シート高は 790mm
- シート形状が極端に高くない
- ハンドル位置もそこまで低くなく、ややアップライト寄り
結果として、
- フルカウルだけど「前傾キツキツ」ではない
- 肩や腰への負担が比較的少なく、中距離ツーリングでも楽
「見た目はスポーツ、乗り味はツアラー寄り」というバランスです。
③ 15Lタンク+良好な燃費で航続距離が長い
- タンク容量は 15L
- WMTCモード値は 32.8km/L
カタログ値ベースですが、単純計算で400km以上の航続距離も十分狙える数字です(実走値は条件次第)。
ツーリング派にとって、
- 給油間隔が長い
- ガソリンスタンドをそこまで気にせずルートを組める
というのは大きなメリットです。
④ フルカウル+防風性で長距離も快適
- 大きめのフロントカウル
- スクリーンで上半身への風をしっかりカット
高速道路やバイパス走行で、
- ネイキッドより疲れにくい
- 冬場・夜間の体力消耗を抑えやすい
**「ツアラーとしてのフルカウル」**という役割をしっかり果たしてくれます。
GSX250Rの気になるところ(デメリット)
① 出力はスポーツモデルとしては控えめ
- 最高出力:24PS/8,000rpm
同じ250フルカウルでも、
- 高回転重視のモデル(例:高出力の2気筒・4気筒スポーツ)
- サーキット走行を前提にしたモデル
と比べると、最高速や鋭い加速で見劣りする場面はどうしても出てきます。
「サーキットでタイムを詰めたい」「とにかく速さ優先」というニーズには、
別の車種の方が向きやすいです。
② 装備重量181kgで、250としては重め
- 装備重量は 181kg と、同クラスの中では重い部類です。
押し引きや取り回しで、
- 砂利駐車場
- 勾配のある場所
- Uターン
などではずっしり感を意識することになります。
その代わり、
- 走行中の安定感
- 直進性
という意味ではプラスにも働きますが、
「軽快さ全振りの250」とは方向性が異なります。
③ サス・ブレーキも“ツアラー寄り”の味付け
- 前後ともシングルディスク+ABS
- サスペンションも、スポーツモデルとしては柔らかめのセッティング傾向
日常域やツーリングでは乗り心地の良さにつながりますが、
- 強めのブレーキングを多用する走り
- サーキットでの本気走行
では、「もっとシャキッとさせたい」と感じるライダーもいるはずです。
ライバル250フルカウルとの“性格”比較
ここからは、数字を細かく並べるよりもキャラクターの違いに絞って比較します。
1. GSX250R vs Ninja250/YZF-R25
このあたりは「スポーツ寄りの万能派」との比較になります。
- Ninja250・YZF-R25
- 高回転域までよく回るエンジン
- ワインディングでのスポーティな走りが得意
- ポジションもスポーツとツーリングの中間くらい
- GSX250R
- 低中回転トルク重視で、落ち着いた加速
- フルカウルだが、走りの性格はツーリング寄り
- 前傾もやや穏やかで、長時間の走行に向く
まとめ
- 「ツーリングもスポーツもバランスよく楽しみたい」
→ Ninja250・R25寄り - 「そこまで攻めないから、ラクに走れて燃費が良い方がいい」
→ GSX250R
2. GSX250R vs CBR250RR/ZX-25R
ここは完全に“スポーツガチ勢”との比較です。
- CBR250RR・ZX-25R
- 高回転まで伸びる高出力エンジン
- 足まわりやブレーキもサーキット走行まで視野に入れた仕様
- ポジションも前傾強めで、本気で走る人向け
- GSX250R
- 出力も足まわりも、あくまで「ストリート&ツーリング向け」
- ポジションも比較的ラクで、日常性を重視
まとめ
- 「タイムを削るスポーツ走行が主目的」
→ CBR250RR・ZX-25R系 - 「スポーツルックだけど、実際はゆったりツーリングメイン」
→ GSX250R
3. GSX250R vs Vストローム250シリーズ
同じスズキで、エンジンを共有するツーリングモデルとも比較されがちです。
- Vストローム250シリーズ
- アドベンチャースタイル
- ポジションはさらにアップライト
- 荷物積載性能や快適性に寄せた設計
- GSX250R
- フルカウルスポーツ風スタイル
- 風防効果は高いが、積載性はノーマルだと控えめ
まとめ
- 「高速+長距離+キャンプツーリング」
→ Vストローム系 - 「フルカウルの見た目で、ゆったりツーリング」
→ GSX250R
GSX250Rは初心者向き?
向いているポイント
- 出力が極端に尖っておらず、扱いやすい
- 790mmのシート高で、極端に高くはない
- ポジションがスポーツバイクとしてはラクな部類
- ABS標準装備で安心感もある
「初めての250フルカウル」として現実的な候補です。
注意したいポイント
- 181kgという車重は、完全な初心者だと押し引きが不安な場面もある
- 「ガチスポーツ」ではないので、後からサーキット熱が高まったときに物足りなくなる可能性
「最初からサーキットも視野に入れている」初心者なら、
もっとスポーツ寄りの車種を検討しておくのもアリです。
GSX250Rで後悔しやすい人
- 本気のスポーツ走行がメイン
- サーキット遊びをガッツリやりたい
- 軽くてキビキビした250が欲しい
- 出力の数字にもこだわりたい
こういう人は、
- CBR250RR
- Ninja ZX-25R
- スポーツ寄りの2気筒フルカウル各種
の方が、目的に合った性能を発揮してくれます。
GSX250Rで満足しやすい人
- フルカウルの見た目が好き
- でも、常に全開で飛ばすわけではない
- 通勤・街乗り+週末のツーリングがメイン
- 燃費と航続距離を重視したい
- 落ち着いたポジションで、長く付き合えるバイクが欲しい
この辺に当てはまるなら、GSX250Rは
「ほどよくスポーティで、かなりツーリングに優しいフルカウル」
として、後悔しにくい選択肢になるはずです。


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