ヤマハ YZF-R25 ABS は、
- 水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
- 総排気量 249cm³
- 最高出力 26kW（35PS）／12,000rpm
- 最大トルク 23N･m（2.3kgf･m）／10,000rpm
- 車両重量 169kg
- シート高 780mm
- 燃料タンク容量 14L
というスペックを持つ、250ccクラスのフルカウルスポーツです。
ヤマハがコンセプトとして掲げているのは
「毎日乗れるスーパーバイク」。
見た目はしっかり“Rシリーズ”ですが、
中身は街乗り〜ツーリングまで気負わず楽しめる万能スポーツになっています。
この記事では、
- YZF-R25 の正確な主要スペック
- 良いところ／気になるところ
- YZF-R3・Ninja250・CBR250RR・ZX-25Rとの違い
- どんな人に向いていて、どんな人は別のバイクを選んだ方がいいか
を、分かりやすく解説します。
※画像はAIによるイメージです
YZF-R25の主要スペック（現行モデル）
車体サイズ・重量
- 全長：2,090mm
- 全幅：730mm
- 全高：1,140mm
- ホイールベース：1,380mm
- 最低地上高：160mm
- シート高：780mm
- 車両重量：169kg
- 乗車定員：2名
エンジン・トランスミッション
- 原動機種類：水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
- 気筒数配列：直列2気筒
- 総排気量：249cm³
- 内径 × 行程：60.0mm × 44.1mm
- 圧縮比：11.6：1
- 最高出力：26kW（35PS）／12,000rpm
- 最大トルク：23N･m（2.3kgf･m）／10,000rpm
- 始動方式：セルフ式
- 潤滑方式：ウェットサンプ
- 燃料供給方式：フューエルインジェクション
- トランスミッション：常時噛合式6速リターン
足まわり・ブレーキ・タイヤ
- フロントサスペンション：倒立テレスコピック
- リアサスペンション：リンク式モノクロス
- フロントブレーキ：油圧シングルディスク＋ABS
- リアブレーキ：油圧シングルディスク＋ABS
- タイヤサイズ：
- フロント：110/70-17M/C（54S）
- リア：140/70-17M/C（66S）
燃費（届出値）
- 定地燃費値：37.5km/L（60km/h・2名乗車時）
- WMTCモード値：25.8km/L（クラス3・サブクラス3-2・1名乗車時）
YZF-R25の良いところ（メリット）
① 35PSの2気筒で「普段ちょうどいい速さ」
YZF-R25のエンジンは、
- 最高出力：35PS／12,000rpm
- 最大トルク：23N･m／10,000rpm
というスペックの並列2気筒。
数字だけ見ると高回転型ですが、
- 低〜中回転でも極端にスカスカではなく、街乗りしやすい
- 6,000〜8,000rpmぐらいで流しても、一般道なら不足は感じにくい
- 本気で走りたいときは、高回転まで引っ張ってスポーティに走れる
「いつでも全開じゃないと進まない」ようなピーキーさはなく、
日常〜ツーリングで使いやすい出力特性になっています。
② 169kg＆コンパクトな車体で、扱いやすさが高い
- 車両重量：169kg
- ホイールベース：1,380mm
250フルカウルとしては標準的な数字ですが、
- 車体の剛性感がありつつ、重すぎない
- 取り回しで「押せないほど重い」と感じにくい
- ワインディングでも切り返しがしやすい
というバランスになっています。
初めてのフルカウルスポーツとしても現実的な重さとサイズ感です。
③ シート高780mmとスリムな車体で、足つきも極端に悪くない
- シート高：780mm
シート周りの絞り込みも工夫されていて、
- 身長によっては片足べったりも狙える
- ハイシートなリッターSSほどの「つま先立ち感」は出にくい
もちろん足つき最優先のクルーザーほどではありませんが、
250フルカウルとしては現実的な足つき性と言えます。
④ 倒立フォーク＋Rシリーズの車体で“曲がって止まる”が楽しい
- 倒立フロントフォーク
- リンク式リアサス
- ラジアルタイヤ（110／70R17・140／70R17）
この構成のおかげで、
- フロントの接地感がつかみやすい
- ブレーキング〜ターンインの安定感が高い
- 峠道やサーキット走行を楽しめるハンドリング
「エンジンだけスポーツ」ではなく、足まわりもちゃんとRシリーズの血統です。
⑤ 燃費とタンク容量でツーリングに強い
- 定地燃費値：37.5km/L（60km/h・2名乗車時）
- WMTCモード値：25.8km/L（1名乗車時）
- タンク容量：14L
公表値レベルでも、航続距離は十分。
走り方次第ですが、ロングツーリングで給油の心配が減る数字です。
YZF-R25の気になるところ（デメリット）
① フルカウル×セパハンで、ポジションはやっぱりスポーツ寄り
- セパレートハンドル
- ステップもツアラーよりは高め
そのため、
- 渋滞の多い街中だけを走ると、手首や肩・腰に負担を感じやすい
- スクーターやネイキッドのような“ラクさ全振り”ではない
「ポジションは絶対に楽じゃないとイヤ」という人には不向きです。
② パワーだけ見ると、CBR250RRやZX-25Rより控えめ
- YZF-R25：35PS／12,000rpm
- CBR250RR：42PSクラス
- Ninja ZX-25R：48〜49PSクラス
サーキットでガチガチにタイムを狙うなら、
数値上はライバルに一歩譲るスペックです。
- 高速道路を高い速度域でキープする
- 常に全開で走るサーキット専用マシンにしたい
といった用途だと、「もっと上が欲しい」と感じる人も出てきます。
③ ネイキッドに比べると、立ちゴケ時のダメージが大きい
- フルカウルなので、倒したときにカウルを傷つけやすい
- その分、修理費用がネイキッドよりも掛かりがち
「絶対に倒さない自信はない…」という人は、
立ちゴケ時の精神的ダメージも含めて覚悟が必要です。
YZF-R25はライバルと比べてどう違う？
1. YZF-R25 vs YZF-R3
同じ車体で排気量違いの兄弟モデル。
YZF-R3
- 320cm³直列2気筒
- 最高出力：31kW（42PS）／10,750rpm
- 最大トルク：30N･m／9,000rpm
YZF-R25
- 249cm³直列2気筒
- 最高出力：26kW（35PS）／12,000rpm
- 最大トルク：23N･m／10,000rpm
エンジン以外の部分はかなり共通ですが、
- 高速道路や登り坂、二人乗りではR3に余裕がある
- そのぶん、R25の方が排気量が小さく、エンジンを回して楽しむ感覚が強い
選び方のイメージ
- 高速・タンデムツーリングもよくやる → R3
- 下道メインで、250の枠の中で楽しみたい → R25
2. YZF-R25 vs Ninja 250
Ninja 250
- 同じく249cm³並列2気筒
- 最高出力35PS／12,500rpm、最大トルク22N･m／10,500rpmクラス
スペックはかなり近く、実際のキャラクターも似ています。
違いとしては、
- エンジンフィーリングと音の質感
- ハンドリングの“軽快感”の方向性
- ポジションやデザインの好み
など、「乗り味とデザインの好み」で決めてもいいレベルの差です。
3. YZF-R25 vs CBR250RR
CBR250RR
- 249cm³並列2気筒
- 最高出力：42PSクラス
- スロットルバイワイヤや走行モードなど、装備も本気寄り
YZF-R25
- 35PSで、CBR250RRより穏やかなパワー
- ポジションやエンジン特性も、日常との両立寄り
ざっくり方向性として
- 「サーキット含めてガチスポーツをやりたい」 → CBR250RR
- 「日常〜ツーリングも含めて、肩肘張らずスポーツしたい」 → YZF-R25
という住み分けになります。
4. YZF-R25 vs ZX-25R（4気筒250）
Ninja ZX-25R
- 249cm³直列4気筒
- 最高出力：48〜49PS
- 15,000rpm超まで回る高回転エンジン
YZF-R25
- 直列2気筒で、低〜中速トルクと扱いやすさ重視
- 高回転まで回す楽しさはあるが、4気筒ほど尖っていない
まとめ
- 4気筒サウンドと高回転の世界に全振り → ZX-25R
- 日常使いとツーリングも重視した、実用スポーツ → YZF-R25
YZF-R25は初心者向き？
向いているポイント
- 2気筒で、極端に扱いづらいトルク特性ではない
- 車体サイズも、大型SSほど威圧感が強くない
- ABS搭載でブレーキの安心感が高い
- 250ccクラスなので、維持費も中〜大排気量より軽い
「最初からフルカウルスポーツに乗りたい」
という中免取り立てライダーにも、かなり現実的な選択肢です。
注意したいポイント
- ポジションはあくまでスポーツ寄りで、渋滞だらけの通勤メインには向きにくい
- ネイキッドやスクーターに比べると、立ちゴケ時のダメージが大きい
「通勤と買い物しか乗らない」という用途なら、
別ジャンルのバイクの方がストレスは少ないかもしれません。
YZF-R25で後悔しやすい人
- とにかくラクなアップライトポジションが絶対条件
- 足つき最優先で、もっとシートの低いバイクが欲しい
- サーキットタイム至上主義で、とにかくスペック重視
- 4気筒の高回転サウンドに強いこだわりがある
こういう人は、
- ネイキッド／スクーター／クルーザー
- CBR250RR・ZX-25R
- もしくはさらに上の排気量のSS
を検討した方が、満足度は高くなりやすいです。
YZF-R25で満足しやすい人
- Rシリーズのデザインに惹かれている
- 通勤・街乗りに加えて、ワインディングやツーリングも楽しみたい
- CBR250RRやZX-25Rほど“尖っていなくて”いい
- でも、見た目も走りも「ちゃんとスポーツしている」バイクが欲しい
- 将来、YZF-R3や大型Rシリーズへのステップアップも視野に入れている
そんなライダーにとって、YZF-R25は
“毎日乗れるスーパーバイク”というコンセプトどおりの、ちょうどいいフルカウルスポーツ
になってくれるはずです。
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