カワサキ エリミネーター400(ELIMINATOR 400) は、
- 足つきのいいロー&ロングスタイル
- 48PSのスポーティな並列2気筒エンジン
- 176kgという400としては軽めの車重
を組み合わせた、現代型ミドルクルーザーです。
一言でいうと、
「見た目はゆるいのに、走るとけっこうガチ」
そんな、ちょっと反則気味な1台。
この記事では、
- エリミネーター400の特徴
- 良いところ/気になるところ
- レブル250/500、GB350/GB350S、他クルーザーとのガチ比較
- 向いている人・やめた方がいい人
を、普通二輪ライダー目線でじっくり解説します。
※画像はAIによるイメージです
基本スペックとキャラクター
※数値は2020年代現行モデル周辺の代表値イメージです。
- エンジン:水冷4ストローク並列2気筒 398cc
- 最高出力:48PS / 10,000rpm
- 最大トルク:3.8kgf・m / 8,000rpm
- ミッション:6速リターン
- 車両重量:176kg(標準グレード)
- シート高:735mm
- タンク容量:12L
キャラを一言でまとめると…
- 見た目:ロー&ロングなネオクルーザー
- 中身:Ninja/Z400系ゆずりの「よく回る2気筒」
- 乗り味:ゆるくも走れるし、本気出せばそこそこ飛ばせる
クルーザーとスポーツネイキッドの中間にいるバイクです。
いいところ(メリット)
① 足つきバツグンなのに400のパワー
- シート高735mm
- シート前側が細めで、足が真下に落としやすい
「400初めてで足つき不安…」という人でも、
かなり安心してまたがれる部類です。
それでいて、
- 48PSの出力
- 高回転までしっかり回る2気筒
なので、高速もワインディングも余裕あり。
② 車体が軽くて、クルーザーにしては取り回し楽
- 装備重量176kg前後
- エンジンもコンパクトで、押し引き時に抱えやすい形
同じクラスの昔の国産アメリカン(ドラッグスター系など)に比べると、
「あれ?思ったより軽い」 となるはず。
街中でのUターン、駐輪場の出し入れが現実的なレベルです。
③ ポジションが自然で長距離もラク
- ハンドルは高すぎず低すぎず
- ステップは極端なフォワードではなく、やや前寄りのミッド寄り
- 背筋を伸ばした“ラクなアップライト”
いかにもなアメリカンみたいな「足を前に投げ出しきる」感じではなく、
長距離でも腰や肩が痛くなりにくいちょうどいい姿勢です。
④ 現代バイクらしい装備
グレードや年式で違いはありますが、
- ABS
- 液晶メーター(ギアポジション・燃料計・シフトインジケーターなど)
- ETC2.0標準装備グレードあり
など、「令和の400」として必要な装備はひと通りそろっています。
気になるところ(デメリット)
① “クラシックなアメリカン感”は薄い
- エンジンはパラツインで、ドロドロしたVツインではない
- メッキギラギラ、極太タイヤ、極端なローな感じでもない
「昔ながらの国産アメリカンが欲しい!」
というイメージだと、ちょっと違う方向性です。
雰囲気はどちらかと言うと、
ネオレトロ+ストリートクルーザー
寄り。
② 純正のままだと積載は弱め
- シート形状がスポーティ寄りで、リアがやや絞られている
- キャリア・サイドバッグステーは後付け前提
キャンプツーリングを考えているなら、
納車と同時にリアキャリアやバッグステーを用意する前提で考えた方がいいです。
③ 風防がないと高速長距離は疲れやすい
- ハンドル位置が低くはないので、上半身に風を受けやすい
- 100km/h巡航はパワー的には余裕でも、人間が風でしんどくなる
高速道路をよく使うなら、
- スクリーン追加
- もしくはカウル付きバージョン(SE系)
を視野に入れると快適度がグッと上がります。
他バイクとの比較
ここからが本題。
レブル/GB/他クルーザーと比べてどうなの? を詳しく見ていきます。
1. レブル250/500 と比較
スペック・キャラざっくり
| モデル | エンジン | 出力イメージ | キャラ |
|---|---|---|---|
| エリミネーター400 | 398cc 並列2気筒 | 高回転まで回る48PS | スポーティ寄りクルーザー |
| レブル250 | 249cc 単気筒 | トコトコ系 | 超ゆるい入門クルーザー |
| レブル500 | 471cc 並列2気筒 | 低中速トルク厚め | 大人な余裕クルーザー |
レブル250との違い
- パワー差
- レブル250:高速道路は「走れるけど頑張ってる」
- エリミ:400なので合流・追い越しに余裕アリ
- 重量感
- 取り回しはどちらも“そこそこ軽め”だが、
高速巡航はエリミの方が圧倒的に楽。
- 取り回しはどちらも“そこそこ軽め”だが、
- キャラ
- レブル250:とにかく“気軽・のんびり・入門”
- エリミ400:きちんと走りも楽しめる“中級者以上向け”
👉 「初めてのバイク」「とにかく気軽に30〜60km/hで流したい」ならレブル250
👉 「高速も走る/400パワーをちゃんと使いたい」ならエリミネーター400
レブル500との違い
- パワーの出方
- レブル500:下から分厚いトルク、回さなくても進む“トコトコ系”
- エリミ400:低回転も扱いやすいけど、どちらかといえば中〜高回転まで回して楽しいタイプ
- ポジション
- レブル500:よりクラシッククルーザー寄りのポジション
- エリミ400:ややストリートバイク寄りの自然なアップライト
- 雰囲気
- レブル500:黒ベースで“硬派なカスタムクルーザー感”
- エリミ400:ライト感のあるネオクルーザー
👉 「のんびりトコトコ・鼓動感重視」 → レブル500
👉 「スポーティ寄り・回して楽しいクルーザー」 → エリミ400
2. GB350/GB350S と比較
スペック・イメージ
| モデル | エンジン | 特徴 |
|---|---|---|
| エリミネーター400 | 398cc 並列2気筒 | 高回転までスッと回る |
| GB350 | 348cc 単気筒 | トコトコ鼓動感・クラシック |
| GB350S | GB350のスポーティ版 | 少し前寄りポジションで軽快 |
キャラの違い
- エンジンフィーリング
- GB系:単気筒ならではの鼓動感、「トコトコ走るのが楽しい」
- エリミ:回せばスポーツネイキッドっぽい伸び、鼓動感よりも爽快感
- スタイル
- GB:クラシックネイキッド
- エリミ:ネオクルーザー+ストリート
- 用途イメージ
- GB:
- のんびり下道ツーリング
- 景色を楽しみながらゆるく走る
- エリミ:
- ワインディングを少しペース上げて楽しむ
- 高速を絡めた日帰り・一泊ツーリング
- GB:
👉 「レトロ・雰囲気・鼓動感フェチ」 → GB350/GB350S
👉 「見た目クルーザー+現代的な走り」 → エリミネーター400
3. 旧来の国産アメリカン(ドラスタ・イントルーダー)との違い
- 重量
- 旧国産アメリカン:200kgオーバーが当たり前
- エリミ:176kg前後でかなり軽量
- エンジン特性
- 旧車:低回転トルク厚い代わりに高回転はあまり回さない
- エリミ:高回転まで気持ちよく回る、スポーツ寄り
- メンテ・維持
- 旧車:年式的に整備前提・部品事情も考慮必要
- エリミ:現行車なので保証・部品・サポートが安心
👉 「あの時代のVツインアメリカンがどうしても好き」なら旧車
👉 「維持も含めて現代バイクがいい」ならエリミ
4. 同じカワサキのVULCAN S と比べると?
排気量は違う(VULCAN Sは650クラス)ので厳密には比較対象じゃないけど、キャラとして近いので少しだけ。
- VULCAN S
- 650のトルクで余裕たっぷり
- その代わり重量も大きさも“ガチ中型〜大型クルーザー”
- エリミ400
- 400としては十分なパワー
- 日本の街中・峠・駐輪事情によりマッチするサイズ感
日本の道路事情+維持費+取り回しを考えると、
普段使いメインなら「エリミの方がちょうどいい」と感じる人は多いと思います。
どんな人に向いている?向いていない?
エリミネーター400が“刺さる”人
- 足つきのいい400クラスが欲しい
- レブル系の「のんびり一辺倒」では物足りない
- 見た目はクルーザーだけど、走りはきちんと楽しみたい
- 通勤・街乗り〜ワインディング・日帰りツーリングまで一台でこなしたい
- 大型までは行かないけれど、「普通二輪の上限クラス」を味わいたい
エリミネーター400はやめた方がいいかもな人
- 超クラシックなアメリカンスタイルが欲しい
- 極太リアタイヤ・メッキギラギラが好み
- とにかく積載重視でキャンプフル積載が前提
- ゆるくトコトコ走るだけでよくて、パワーはそこまで要らない
こういうニーズなら、
- レブル500/250
- GB350/GB350S
- アドベンチャー系(積載重視ならこちらもアリ)
を選んだ方が幸せになれる可能性大です。
まとめ|エリミネーター400は「走りも楽しめる現代クルーザー」
エリミネーター400は、
- ロー&ロングで足つき良く
- 176kgの軽量ボディで扱いやすく
- 48PSの2気筒エンジンでしっかり走れて
- 見た目も“今風クルーザー”で所有感もある
という、令和のミドルクルーザーのど真ん中みたいな1台です。
- レブルでは物足りないけど、大型はまだいいかな
- ネイキッドよりは、少し“特別感のあるスタイル”に乗りたい
- 足つき・取り回し・パワーのバランスが取れた400が欲しい
そんな人にとって、
エリミネーター400は かなり後悔しにくい選択肢になってくれるはずです。


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