スズキ SV650 ABS(8BL-VP55E) は、
- 水冷4サイクル・90°Vツイン DOHC 4バルブ
- 総排気量 645cm³
- 最高出力 53kW(72PS)/8,500rpm
- 最大トルク 63N・m(6.4kgf・m)/6,800rpm
- 装備重量 199kg
- シート高 785mm
- 燃料タンク容量 14L
というスペックを持つ、645ccクラスのミドルネイキッドです。
デビュー当初から
「軽量なトラスフレームに、鼓動感のあるVツインを積んだ“ちょうどいいロードスター”」
として人気を集めてきた1台で、
2025年時点では日本仕様としては最終型(8BL-VP55E)がラインナップされています。
この記事では、
- SV650の正確な主要スペック
- 良いところ/気になるところ
- MT-07・Z650・CB650Rとの違い
- どんな人に向いているか
を、街乗り〜ツーリング視点でわかりやすく解説します。
※画像はAIによるイメージです
SV650の主要スペック(8BL-VP55E・日本仕様)
車体サイズ・重量
- 型式:8BL-VP55E
- 全長:2,140mm
- 全幅:760mm
- 全高:1,090mm
- ホイールベース:1,450mm
- 最低地上高:135mm
- シート高:785mm
- 装備重量:199kg
- 最小回転半径:3.0m
- 乗車定員:2名
エンジン・トランスミッション
- エンジン型式:P511
- 種類:水冷・4サイクル・90°Vツイン/DOHC・4バルブ
- 総排気量:645cm³
- 内径×行程:81.0mm × 62.6mm
- 圧縮比:11.2:1
- 最高出力:53kW(72PS)/8,500rpm
- 最大トルク:63N・m(6.4kgf・m)/6,800rpm
- 燃料供給装置:フューエルインジェクションシステム
- 始動方式:セルフ式
- 点火方式:フルトランジスタ式
- 潤滑方式:ウェットサンプ式(潤滑油容量 3.0L)
- 変速機:常時噛合式6段リターン
足まわり・ブレーキ・タイヤ
- フレーム形式:トラス構造のダイヤモンドフレーム
- フロントサスペンション:テレスコピック(正立)
- リアサスペンション:リンク式モノショック
- フロントブレーキ:
- 直径290mmダブルディスク
- 異径対向4ポットキャリパー+ABS
- リアブレーキ:直径240mmシングルディスク+ABS
- タイヤサイズ:
- 前:120/70ZR17M/C(58W)
- 後:160/60ZR17M/C(69W)(いずれもラジアル・チューブレス)
燃費(届出値)
- 定地燃費値:34.8km/L(60km/h・2名乗車時)
- WMTCモード値:24.4km/L(クラス3・サブクラス3-2・1名乗車時)
- 燃料タンク容量:14L(レギュラーガソリン)
SV650の良いところ(メリット)
① 90度Vツイン645ccの「鼓動感と滑らかさ」のバランスが絶妙
SV650の一番の魅力はやっぱりエンジン。
- 90°Vツインならではの鼓動感
- 645ccの余裕あるトルク
- 72PS/8,500rpm、63N・m/6,800rpmという実用回転域寄りの特性
のおかげで、
- 低〜中回転でドコドコと太いトルクが出て、街中でも扱いやすい
- 3〜4,000rpmくらいから力強く、6〜8,000rpm付近で一段と元気になる
- 回せばスポーティ、流して走ると大人っぽい…という二面性
② 199kgの装備重量で、ミドルとしては扱いやすい
- 装備重量:199kg(8BL-VP55E)
同クラスのミドルネイキッドと比べても軽い部類で、
- 押し引きで「大型車だから無理…」と感じにくい
- 取り回しや車庫入れも、慣れれば十分こなせるレベル
- ワインディングでの切り返しも、想像より軽快
“パワーのあるミドルだけど、重さで心が折れにくい”のは大きなメリットです。
③ ポジションは“ネイキッド+ややスポーツ寄り”で長距離もこなしやすい
- フラット気味なハンドル
- 適度な前傾姿勢
- ステップ位置もスポーツ寄りだけど、極端な窮屈さはない
というポジションで、
- 街乗り〜日帰りツーリングくらいなら無理なくこなせる
- ワインディングでは、上半身を入れて積極的にコントロールしやすい
- スーパースポーツほど手首・腰に負担がかからない
「ツアラーほど寝そべりたくないけど、走るときはしっかり走りたい」
というライダーにとって、ちょうどいいバランスに仕上がっています。
④ トラスフレーム+ダブルディスクで“ちゃんと走れるミドル”
SV650は、見た目こそ素直なネイキッドですが、中身はかなりスポーティ。
- 軽量なスチール製トラスフレーム
- 前290mmダブルディスク+異径対向4ポットキャリパー+ABS
- 17インチラジアルタイヤ(120/70・160/60)
この構成のおかげで、
- ブレーキング〜ターンイン〜立ち上がりまで、安心して攻められる
- Vツインのトルクを活かして、コーナーからグイッと立ち上がるのが楽しい
- “のんびりツアラー”というより、**「走るのが好きな人向けのロードスター」**という性格
になっています。
⑤ ほどよい燃費と14Lタンクでツーリングにも強い
- 定地燃費:34.8km/L(60km/h・2名)
- WMTC:24.4km/L(クラス3-2・1名)
- タンク容量:14L
公表値ベースでも、条件が良ければ300km前後の航続距離も狙えるスペックです(実際は走り方次第)。
- 「毎回ガソリンを気にしながら走る」感じにはなりにくい
- 日帰り〜1泊ツーリングくらいなら、給油ポイントもそこまでシビアに考えずに走れる
ミドルネイキッドとして、ツーリング性能もきちんと確保された一台です。
SV650の気になるところ(デメリット)
① シート高785mm+少しボリュームのある車体で、足つきは人を選ぶ
- シート高:785mm
タンク周りの張り出しもそれなりにあるため、
- 小柄なライダーだと「両足つま先〜片足ベッタリ」くらいになることも
- 坂道や傾斜のある場所での取り回しは、それなりに気を遣う
足つきに不安がある人は、必ず実車でまたがって確認するのがおすすめです。
② ネイキッドなので、高速巡航では“風を受ける”のは避けられない
- カウルレス+小ぶりなメーターバイザー
のため、
- 高速道路を長時間走ると、上半身への風圧で疲れやすい
- スクリーンを追加しているオーナーも多い
「高速道路を1日中走る」がメインの使い方なら、
ハーフカウルorフルカウルのツアラー系も候補に入れておいた方が安心です。
③ もっと尖った“サーキット性能”を求める人には物足りないかも
SV650は、
- ミドルとしては十分速い
- ワインディングも存分に楽しめる
一方で、
- CBR600RRのような本気スーパースポーツ
- 4気筒600〜1000ccクラスのような高回転の伸び
と比べると、どうしても“穏やかめ”に感じる人もいます。
「タイムだけを追い求めるサーキット遊び」が目的なら、別ジャンルのマシンの方が向いています。
他のミドルクラスとの比較
1. SV650 vs MT-07(688cc並列2気筒)
MT-07
- 688cm³・270°クランク並列2気筒
- 73PS/68N・m前後のトルク
- 車両重量183kg前後で、かなり軽量
SV650
- 645cm³・90°Vツイン
- 72PS/63N・m
- 装備重量199kg
ざっくり言うと、
- 「とにかく軽い車体と、2気筒のトルクを楽しみたい」 → MT-07寄り
- 「Vツインの鼓動感と、しっとりしたハンドリングが好き」 → SV650寄り
フィーリングとデザインの好みで選ぶことになるライバル関係です。
2. SV650 vs Z650(649cc並列2気筒)
Z650
- 649cm³並列2気筒
- 軽量な車体+シャープなハンドリング
SV650
- 90°Vツインならではの音と鼓動感
- トラスフレーム+ダブルディスクで、やや欧州ロードスター寄りの雰囲気
「カワサキらしいスポーティさ・直線的なデザインが好み」なら Z650、
「少しクラシカルで丸みのあるロードスターが好き」なら SV650
といったイメージで選びやすいです。
3. SV650 vs CB650R(4気筒ミドル)
CB650R
- 649cm³の並列4気筒
- 高回転までよく回り、サウンドも含めて“4発らしさ”全開
SV650
- 2気筒(Vツイン)で、トルクの出方が実用回転域寄り
- 同じミドルでも、キャラクターはかなり違う
「4気筒サウンドと高回転の伸び」に惹かれるならCB650R、
「中回転のトルクとVツインらしい味」に惹かれるならSV650、という住み分けです。
SV650は初心者にも向いている?
向いているポイント
- 645ccミドルとしては、199kgと比較的扱いやすい重量
- エンジン特性が極端にピーキーではなく、街乗りでも扱いやすい
- ABS+ダブルディスクブレーキで制動力も十分
- ポジションもスーパースポーツほどキツくない
「中型である程度慣れてきて、次はミドル〜大型にステップアップしたい」
というライダーには、十分候補になります。
注意したいポイント
- 785mmのシート高と車体ボリュームで、完全ビギナーには足つきが不安なことも
- 72PS・63N・mのパワーは、中型から乗り換えるとハッキリ“別物”
- 電子制御はABS中心で、最新リッタースポーツほど多機能ではない
免許取りたて直後の“初バイク”として選ぶより、
ある程度経験を積んでから乗る方が安心できる一台です。
SV650で後悔しやすい人/満足しやすい人
後悔しやすい人
- とにかく足つき最優先で、もっと低いシート高が欲しい
- 高速道路の長距離巡航がメインで、防風性を最重視したい
- サーキット走行でラップタイムを削るのが主目的
- 「最新の電子制御てんこ盛り」が絶対条件
こういう人は、フルカウルツアラー・スーパースポーツ・アドベンチャー系など別ジャンルの方が向いているかもしれません。
満足しやすい人
- Vツインの鼓動感と中回転のトルクが好き
- 通勤・街乗りとワインディング・ツーリングを1台でこなしたい
- 4気筒ほど回さなくても、実用域で気持ちよく走れるバイクが欲しい
- 最新リッタースポーツほど“構えずに乗れるミドル”を探している
- トラスフレーム+シンプルなネイキッドのルックスが好み
そんなライダーにとってSV650は、
「いつ乗っても“ちょうど良く”楽しい、Vツイン・ロードスター」
になってくれる一台です。


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