カワサキ Z250(型式 8BK-EX250Y) は、
- 水冷4ストローク並列2気筒 DOHC 4バルブ
- 総排気量 248cm³
- 最高出力 26kW(35PS)/12,500rpm
- 最大トルク 22N・m(2.2kgf・m)/10,500rpm
- 車両重量 164kg
- シート高 795mm
- 燃料タンク容量 14L
というスペックを持つ、250ccクラスのスーパーネイキッドです。
一言でいうと、
Ninja 250 の中身を、ストリート寄りのネイキッドに仕立てた
「扱いやすくてキレのある250ツイン」。
この記事では、
- Z250 の正確な主要スペック
- 良いところ・気になるところ
- Z400・Ninja 250・他250ネイキッドとの違い
- 向いている人/やめた方がいい人
を、街乗り〜ツーリング目線で分かりやすく解説します。
Z250 の主要スペック
車体まわり(8BK-EX250Y)
- 車名:Z250
- 全長×全幅×全高:1,990mm × 800mm × 1,060mm
- 軸間距離:1,370mm
- 最低地上高:145mm
- シート高:795mm
- キャスター/トレール:24.5°/92mm
- 車両重量:164kg
- 最小回転半径:2.6m
- 燃料タンク容量:14L
- 乗車定員:2名
エンジン・トランスミッション
- エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列2気筒/DOHC 4バルブ
- 総排気量:248cm³
- 内径×行程:62.0mm × 41.2mm
- 圧縮比:11.6:1
- 最高出力:26kW(35PS)/12,500rpm
- 最大トルク:22N・m(2.2kgf・m)/10,500rpm
- 燃料供給方式:フューエルインジェクション(φ32mm×2)
- 点火方式:バッテリ&コイル(フルトランジスタ点火)
- 始動方式:エレクトリックスターター
- 潤滑方式:ウェットサンプ
- エンジンオイル容量:2.0L
- トランスミッション形式:常時嚙合式6段リターン
- 一次減速比:3.068(89/29)
- 二次減速比:2.928(41/14)
- クラッチ形式:湿式多板(アシスト&スリッパークラッチ)
足まわり・ブレーキ・タイヤ
- フレーム形式:トレリスフレーム
- フロントサスペンション:テレスコピック(インナーチューブ径 41mm、ストローク 120mm)
- リアサスペンション:スイングアーム(ホイールトラベル 130mm)
- フロントブレーキ:シングルディスク 310mm(外径)+ABS
- リアブレーキ:シングルディスク 220mm(外径)+ABS
- タイヤサイズ:
- 前:110/70-17M/C 54H
- 後:140/70-17M/C 66H
燃費(メーカー公表値)
- 定地燃費値:32.3km/L(60km/h・2名乗車時)
- WMTCモード値:25.1km/L(クラス3-2・1名乗車時)
Z250 の良いところ(メリット)
① 35PS の並列2気筒で「回しても流しても気持ちいい」
Z250 のエンジンは、Ninja 250 と共通の 248cm³ 並列2気筒。
- 35PS/12,500rpm の最高出力
- 22N・m/10,500rpm の最大トルク
というスペックで、
- 3,000〜6,000rpmあたりでの街乗りがしやすい
- ワインディングでは高回転まで回してスポーティに走れる
- 2気筒のおかげで、完全高回転型4気筒ほどシビアではない
「普段はゆったり、たまに高回転まで回して遊ぶ」 という使い方にぴったりな特性です。
② 164kgの軽さで、取り回しとコーナリングがラク
車両重量は 164kg。250として突出して軽いわけではありませんが、
ネイキッド+トレリスフレームの組み合わせもあり、実際の感覚はかなり軽快です。
- 駐輪場での押し引きがしやすい
- 低速のUターンや切り返しでも怖さが少ない
- ワインディングで“ヒラッ”と寝かせやすい
初めての中型ネイキッドとしても、扱いやすい重さになっています。
③ アップライト寄りのポジションで、街乗りが楽
Z250 は Z シリーズらしいストリートファイタースタイルですが、
- ハンドル位置はNinja 250 より高く手前
- 上体はやや前傾する程度で、視界も広い
- 膝の曲がりも極端ではなく、ツーリングにも使いやすい
「スポーツネイキッドだけど、日常で付き合いやすいポジション」 になっています。
④ トレリスフレーム+φ41mmフォークで安定感のあるハンドリング
- 軽量かつ剛性の高いトレリスフレーム
- インナーチューブ径φ41mmのフロントフォーク
- ユニトラックリアサスペンション(リンク式)
この構成のおかげで、
- ブレーキング時もフロントの接地感がつかみやすい
- コーナー進入〜旋回〜立ち上がりまでの挙動が素直
- 高速道路やバイパスでもフラつきにくい
“軽快さ”と“安定感”のバランスが良いハンドリング に仕上がっています。
⑤ 250だからこその維持費の軽さ
- 軽二輪クラス(〜250cc)のため、車検なし
- タイヤサイズも 110/140 でコストが抑えやすい
- 燃費も WMTC値で 25.1km/L 公表と悪くない
Ninja 250 と同様、
「見た目も走りも楽しみたいけど、維持費はそこまで掛けたくない」
という人にとって、Z250はちょうどいい立ち位置です。
Z250 の気になるところ(デメリット)
① 795mmのシート高は、人によってはやや高めに感じる
- シート高:795mm
シートのボリュームもそれなりにあるので、
- 身長が低めのライダーだと「ツンツン〜片足ベッタリ」くらいになる場合もある
- レブルやGB350のようなロースタイルクルーザーほどの足つきの安心感はない
足つきに不安があれば、実車にまたがって確認した方が安心です。
② 4気筒勢と比べると「スペックのインパクト」は控えめ
同じカワサキでも、
- Ninja ZX-25R(直列4気筒で48〜49PSクラス)
- Ninja ZX-4R(399cm³直4で77〜80PSクラス)
と比べると、Z250の 35PS という数値は落ち着いたものです。
- サーキットでラップタイムを削る
- 高速でずっと高い速度域をキープする
といった用途では、「もっと上が欲しい」 と感じるライダーもいるはずです。
③ ネイキッドなので高速道路の風はしっかり受ける
- カウルなし
- スクリーンも小さめ
というネイキッドの宿命で、
- 高速巡航では上半身への風圧がそれなりに強い
- 長距離高速ツーリングでは疲れが溜まりやすい
ロングツーリングが多いなら、
フルカウルの Ninja 250/Ninja 400 の方が快適性は高いです。
Z250は他のバイクとどう違う?
1. Z250 vs Z400
同じ Z シリーズの兄弟モデル。
Z400(398cm³ 2気筒・48PS/37N・m)
- トルクに明確な余裕があり、高速や2人乗りで安心感が大きい
- その分、維持費(税金・保険・タイヤ・燃料)はZ250より増える
Z250
- 248cm³ 2気筒 35PS/22N・m
- 軽二輪クラスで車検不要
- 日常〜ツーリングで「ちょうどいい速さ」と維持費のバランス
ざっくりした選び方の目安(数値は公表値ベース)
- 高速道路の使用頻度が高い/2人乗りも視野 → Z400
- 下道中心・維持費重視・最初の1台 → Z250
2. Z250 vs Ninja 250
プラットフォームを共有する兄弟車です。
- Ninja 250
- フルカウル+スクリーンで、防風性が高い
- セパハン+前傾ポジションでスポーツ寄り
- Z250
- カウルレスのネイキッド
- アップライト寄りのポジションで、市街地・取り回しが楽
選び方のイメージ
- 高速道路や冬場の防風を重視 → Ninja 250
- 街乗り〜峠を気軽に楽しみたい/取り回し重視 → Z250
エンジン特性や基本スペックはほぼ共通なので、
「見た目とポジションの好み」で決めてしまってもいいレベルです。
3. Z250 vs 他の250ネイキッド(CB250R・MT-25など)
250ネイキッドクラス全体で見ると、Z250は
- 並列2気筒で、単気筒より高回転域の伸びがある
- スポーティなスタイルとハンドリング
- トレリスフレーム採用で“Zシリーズらしさ”が強い
一方で、
- CB250R などの単気筒モデルは、低速トルクが扱いやすい
- MT-25 などの2気筒スポーツネイキッドは、キャラが近いライバル
「どのメーカーの乗り味とデザインが好みか」で選ぶクラスですが、
カワサキらしいアグレッシブなデザインと、Ninja 譲りの2気筒フィールが欲しいなら Z250 が候補になります。
Z250 は初心者に向いている?
向いているポイント
- 2気筒のため、低速〜中速の扱いやすさがある
- 車両重量164kgで、400クラスより心理的ハードルが低い
- ポジションがアップライト寄りでコントロールしやすい
- ABS とアシスト&スリッパークラッチ付き
中型免許を取って、
「最初からネイキッドで、そこそこスポーティなバイクに乗りたい」
という人には、かなり現実的な選択肢です。
気をつけたいポイント
- シート高795mmで、足つきは人を選ぶ
- 完全に“ラクさ全振り”のスクーターとは乗り味が別物
足つきに不安がある場合は、必ず実車にまたがってから判断した方が安心です。
Z250で後悔しやすい人
- 毎日、渋滞だらけの通勤で使う予定
- とにかく足つき最優先で、もっと低いシートが欲しい
- 風を受けたくなくて、高速はフルカウル一択だと思っている
- 4気筒の高回転サウンドにこだわりたい
こういう人は、
- スクーターやロースタイルクルーザー
- Ninja 250/Ninja 400 のようなフルカウル
- ZX-25R などの4気筒スポーツ
の方が目的に合っている可能性があります。
Z250で満足しやすい人
- カワサキの Z シリーズのデザインが好き
- ネイキッドで、スポーティな走りも楽しみたい
- 通勤・街乗り・ツーリングを1台でこなしたい
- 維持費とパワーのバランスを重視したい
- 「まずは250から始めて、将来はZ400やZX-4Rも視野」というステップアップを考えている
こういったライダーにとって、Z250は
軽さ・扱いやすさ・スポーティさをバランスよくまとめた、現実的で楽しい250ネイキッド
になってくれるはずです。


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