【KAWASAKI Ninja 400 レビュー】軽さとパワーのバランスがちょうどいい現代ミドルスポーツ【Ninja250・CBR400R・ZX-4Rと比較】

カワサキ

カワサキ Ninja 400(ニンジャ400) は、

  • 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ
  • 総排気量 398cm³
  • 最高出力 35kW(48PS)/10,000rpm
  • 最大トルク 37N・m(3.8kgf・m)/8,000rpm
  • 装備重量 167kg
  • シート高 785mm

というスペックを持つ、ミドルクラスのスポーツモデルです。

一言でいうと、

「そこそこ速くて、そこそこ軽くて、現実的にちょうどいいスポーツバイク」。

この記事では、

  • Ninja400の主要スペックと特徴
  • 良いところ/気になるところ
  • Ninja250・CBR400R・ZX-4Rとの性格の違い
  • 向いている人/やめた方がいい人

を、ツーリング・街乗り・たまのワインディング目線で解説します。


Ninja 400の主要スペック

車体まわり(型式 8BL-EX400L)

  • 型式:8BL-EX400L
  • 全長×全幅×全高:1,990mm × 710mm × 1,120mm
  • 軸間距離:1,370mm
  • 最低地上高:140mm
  • シート高:785mm
  • 装備重量:167kg
  • 最小回転半径:2.5m
  • 燃料タンク容量:14L
  • 乗車定員:2名

エンジン・トランスミッション

  • エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列2気筒/DOHC4バルブ
  • 総排気量:398cm³
  • 内径×行程:70.0mm × 51.8mm
  • 圧縮比:11.5:1
  • 最高出力:35kW(48PS)/10,000rpm
  • 最大トルク:37N・m(3.8kgf・m)/8,000rpm
  • 始動方式:エレクトリックスターター
  • トランスミッション形式:常時噛合式6段リターン
  • クラッチ形式:湿式多板

燃費(メーカー公表値)

  • 燃料タンク容量:14L
  • 定地燃費値:31.1km/L(60km/h・2名乗車時)
  • WMTCモード値:25.7km/L(クラス3-2・1名乗車時)

足まわり・ブレーキ

  • フレーム形式:トレリスフレーム
  • フロントサスペンション:テレスコピック(インナーチューブ径41mm)
  • リアサスペンション:スイングアーム(リンク式)
  • フロントブレーキ:油圧式シングルディスク(ABS)
  • リアブレーキ:油圧式シングルディスク(ABS)
  • タイヤサイズ
    • フロント:110/70R17M/C 54H
    • リア  :150/60R17M/C 66H

Ninja 400の良いところ(メリット)

① 398cm³パラレルツインのトルクがちょうどいい

Ninja400のエンジンは、

  • 10,000rpmで48PS
  • 8,000rpmで37N・mのトルク

を発生する並列2気筒です。

400らしいトルクのおかげで、

  • 低回転でも粘りがあって扱いやすい
  • 4,000〜7,000rpmあたりで普通に流しても十分速い
  • 高回転まで引っ張れば、追い越しや高速の合流も余裕がある

「常に高回転まで回さなくても、それなりに速い」のがポイントで、
ツーリングや街乗りで疲れにくいエンジン特性になっています。


② 167kgという装備重量で、400としては軽快

装備重量は167kg。
400ccとしては比較的軽い部類で、

  • 取り回しであまり苦にならない
  • ワインディングでの切り返しも素直
  • 発進・停止が多い市街地でも扱いやすい

「400は重そうで不安…」という人にとっても、
**サイズの割に“身軽なミドル”**という印象を受けやすいはずです。


③ ポジションが“SSほどキツくないスポーツ”

  • セパレートハンドルではあるものの、極端に低すぎない位置
  • ステップ位置も、サーキット用のSSほど高すぎない
  • シート高785mmで、極端に足つきが悪いわけでもない

その結果、

  • 通勤・街乗りも現実的
  • 長めのツーリングでも、フルカウルSSほどの疲労にはなりにくい

“スポーツ寄りツアラー”くらいのポジション感で、
ガチのスーパースポーツがキツい人にも選びやすい立ち位置です。


④ フルカウル+スクリーンで高速道路が楽

  • Ninjaシリーズらしいフルカウル
  • スクリーンで上半身の風をしっかりカット

ネイキッドと比べて、

  • 高速道路での風圧が少なく、長距離での疲労が減る
  • 冬場・夜間の冷えもある程度防いでくれる

「高速を使って遠くまで行きたいツーリング派」にとって、
フルカウルの防風性は大きなメリットです。


⑤ ビギナー〜ベテランまで扱いやすいキャラクター

  • 出力は48PSで十分パワフル
  • かと言って、制御できないほどの暴力的な出力ではない
  • 400としてのトルクと軽さのバランスが良い

そのため、

  • 中型免許取りたての人
  • リターンライダー
  • 通勤・街乗りとツーリングを両立したい人

など、幅広い層にフィットしやすい性格を持っています。


Ninja 400の気になるところ(デメリット)

① スーパースポーツほどの“尖った速さ”ではない

Ninja400は十分速いバイクですが、

  • ZX-4Rのような400cc4気筒ハイパースポーツ
  • 600〜1000クラスのスーパースポーツ

と比べれば、ピークパワーやサーキットでのタイムは当然劣ります。

「とにかくスペック最優先」「タイムを削るサーキット前提」という人には、
少しおとなしい選択肢に感じるかもしれません。


② 250ネイキッドと比べると、それなりに大柄

  • 全長1,990mm/全幅710mm/全高1,120mm
  • ホイールベースも1,370mm

と、250ネイキッドやスクーターと比べれば車体は大きめです。

  • 狭い駐輪場
  • 家のガレージ事情
  • 取り回しや押し引き

など、「とにかくコンパクトさ最優先」の人には向きません。


③ ポジションはあくまで“スポーツ寄り”

SSほどではないとはいえ、

  • セパハン
  • そこそこ前傾姿勢
  • ステップ位置もツアラーよりは上

という構成なので、

  • シート高の低いクルーザー
  • かなりアップなネイキッド

と比べると、ラクさではどうしても負けます

「ひたすら楽な姿勢で走りたい」人は、他ジャンルの方が合いやすいです。


他車との比較:何と悩むバイクか?

1. Ninja 400 vs Ninja 250

同じNinjaシリーズでよく悩まれる組み合わせです。

エンジン・パワー感

  • Ninja250:249cm³並列2気筒
  • Ninja400:398cm³並列2気筒(48PS/37N・m)

Ninja400は、

  • 低〜中回転のトルクに明確な余裕がある
  • 高速道路での合流・追い越しに安心感がある

「高速を多用するかどうか」が大きな分かれ目になります。

車体・維持費

  • 車体サイズはほぼ共通イメージだが、400は排気量・税金・保険が増える
  • その代わり、パワーとトルクの余裕を得られる

まとめ

  • 主に下道・街乗り中心 → Ninja250
  • 高速ツーリング・2人乗りも視野に入れる → Ninja400

2. Ninja 400 vs CBR400R

同じ400ccパラレルツインスポーツとして比較されがちな組み合わせです。

  • CBR400R
    • 同じく400ccクラスの2気筒
    • スタイリングはツアラー寄りのフルカウル
    • メーカーごとの味の違いで好みが分かれる
  • Ninja400
    • Ninjaシリーズらしいシャープな見た目
    • 軽さを活かした軽快さが魅力

実際には、デザインとブランドの好みで決める人が多い領域ですが、
軽快さを求めるならNinja、より落ち着いたツアラー感を求めるならCBR400R寄り、という選び方もできます。


3. Ninja 400 vs ZX-4R

「同じカワサキ400だけど、まったく別物」なのがこの2台。

  • ZX-4R
    • 399cm³並列4気筒
    • 最高出力 57kW(77PS)/14,500rpm(ラムエア加圧時80PS)クラス
    • 車重189〜190kg前後
    • ポジションも足まわりも完全にスーパースポーツ
  • Ninja400
    • 398cm³並列2気筒で48PS/37N・m
    • 167kgの装備重量
    • ポジションも日常とツーリングを意識した設計

まとめると:

  • 「サーキット前提・4気筒の世界に浸かりたい」 → ZX-4R
  • 「ツーリングとワインディングを楽しくこなせる現実的な400」 → Ninja400

Ninja 400は初心者向き?

向いているポイント

  • 2気筒でトルクが扱いやすい
  • 車体も400としては比較的軽い
  • ABS付きで、ブレーキも安心
  • ポジションもスーパースポーツよりはマイルド

中型免許を取って最初の1台としても、
**「ちょっと背伸びしたけど、十分扱える現実的なスポーツ」**というポジションです。

注意したいポイント

  • 250ネイキッドほどの気軽さはない
  • セパハン+前傾ポジションに慣れる必要がある
  • 初バイクで取り回しに不安が強い人は、実車にまたがって確認した方が安心

Ninja 400で後悔しやすい人

  • とにかくラクでアップライトなポジションが良い
  • 渋滞路の通勤メインで、スポーツ性はほぼいらない
  • なるべくコンパクトで取り回しが軽いバイクがいい
  • ランニングコストを最低限まで抑えたい

こういう人は、

  • ネイキッド系(Z400/CB400シリーズ/250ネイキッド)
  • スクーターやアドベンチャー系

の方が向いている可能性が高いです。


Ninja 400で満足しやすい人

  • Ninjaシリーズのスタイルが好き
  • 高速道路を使ったツーリングもよく行く予定がある
  • 250よりもう少し余裕のあるパワーが欲しい
  • でも、ZX-4Rのような“ガチSS”までは求めていない
  • 「日常〜ツーリング〜たまのスポーツ」を一台でまとめたい

こういう人にとって、Ninja400は

「現実的にちょうどいいミドルスポーツ」

として、かなり後悔しにくい選択肢になります。

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